ハリアーの残価設定の前に、残クレとは何かを確認しておこう！
車両購入時にその車の予想下取り価格（残価）を車両価格から差し引いてローンで支払う方法で、下取り価格に相当する金額は最終月の支払いに据え置くプランです。
頭金は一般的に不要ですが、希望すれば頭金を入れることも可能です。
残価が差し引かれた分、他のカーローンよりも月々の返済額が大きく軽減するのが特徴で、契約期間の目安は1〜5年です。
残クレの契約期間満了時は、「乗り換え・買い上げ（残価の一括清算or再クレジット）・返却」この3パターンいずれかを選択することになります。
トヨタの場合の契約期間は基本3年で設定されていますが、車種や販売店により異なります。
残クレの際には「残価保証条件」というものがあり、条件の1つには必ず“走行距離”が含まれます。
トヨタも同様に、“各店舗にて定める走行距離を超えていないこと”と条件付けられています。
走行距離は各店舗にて異なります。
残価設定年数5年の場合の走行距離は60,000〜75,000km、もしくは走行距離が13,000km×契約年数以下となっています。
残価設定の大きなメリットは、月々の返済が通常のローンよりも低く抑えられることです。
さらに頭金なしでも契約できるのが、手元のお金を残しておきたい人でもうれしいところです。
はじめに下取り価格（残価）が保証されているので、同じ販売店で新車に乗り換えるor車を返却する場合は、最終月の支払い金額（残価）は支払い不要となります。
常に新車に乗りたい、ワンランク上の車に乗りたいという人にはぴったりのプランだと言えます。
残価設定にはデメリットも多数あります。
月々の支払額は確かに安く設定されているのですが、ローンの金利は残価額も含めた総額にかかっています。大きな利息を低額で払っていることになるため、総支払額が高額になっていくこともあります。
また、契約中は車の所有権は自動車販売店にあるため、売却することはできません。
残価保証には条件があり、走行距離やメンテナンスの頻度などに制約があります。
車の状態によっては、最終回の返済時に残価との差額を請求される可能性もあるので注意が必要です。
ハリアーzレザーパッケージの残価率は3年で59％・5年で43％
ハリアーzレザーパッケージの残価率は、3年で59％・5年で43％です。
参考）トヨタ公式HPでのシュミレーションでの結果。（トヨタモビリティ東京）
ディーラーの下取り価格は、他業者の買取価格に比べてかなり低いとされている中で、3年落ちで59％の残価率というのは、かなり高い数字です。
注意が必要なのは、先にも述べたように、残クレにおいてはこの残価を下回らないための誓約があることです。
しかし実際の3年落ちの買取価格の残価率は84％ほどの高い価格の物も多く存在します。
走行距離やボディカラー、ガソリンかハイブリッドかでも残価率は変わります。
ガソリンとハイブリッドでは本体価格が安くなるガソリン車の方が中古市場では人気があるため、ガソリン車の買取価格の方が高値が付く傾向にあります。
残クレの残価が下がってしまう要因は、「残価額の保証条件」を満たしていないことです。
参考）ハリアーのリセール
新型ハリアーの残価設定ローンは「金利」がポイント
残価設定ローンは残価を差し引いた金額をローンで支払うため、月々の支払が少なくなるのが特徴です。
一方で、利息は残価を差し引く前の金額に対してかかってくるので注意が必要です。
トヨタの場合の残価設定ローンは、通常のディーラーローンと同じくトヨタ・ファイナンス（トヨタローン）となります。
トヨタファイナンスの金利は一律ではなく各販売店ごとで差があり、5％～10.4％とかなり幅があります。
参考）価格ドットコム
残クレの場合の金利は3.9～6％と他ローンよりも多少下がりますが、銀行系などのマイカーローンと比べると高い金利です。
ディーラーによっては金利がお得になるキャンペーンが行われている事もあります。
過去に行われていたキャンペーンの例は次の通りです。
金利の差は総支出額にどれくらい影響するのか実際の数字を見てみましょう。
総額の差は216,600円です。わずかな金利差のようですが、総額の差は大きくなります。
新型ハリアーでは、最上級グレードのZレザーパッケージが人気です。ZグレードとGグレードをベースに内装にレザーシートなどが追加された高級感のあるインテリアとなっています。
ZレザーパッケージのハイブリッドE-Fourは本体価格514.8万円とハリアーの中で最も高額（PHEV除）となります。
一部改良モデルが発売となった2022年10月の時点でZグレードとZレザーパッケージの受注停止状態が続いていましたが、2023年6月24日から受注が再開しました。
■ハリアーHEV zレザーパッケージの乗り出し価格は544.8万円
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| 車両本体 | 492.8万円 |
| メーカーOP | 15万円 |
| ディーラーOP | 21万円 |
| トータルの値引き | -20万円 |
| 税金・諸経費 | 36万円 |
| 支払総額 | 544.8万円 |
※トータルの値引きは、車両とオプションの合計
■ハリアーHEV Gグレード（2WD）の場合
| 現金一括 | ディーラーローン（5％～10％） | お得なキャンペーン金利2.7% |
|---|---|---|
| 463.9万円 | 525.8～591.5万円 | 496.5万円 |
463.9万円を金利5％～10％で5年払いにすると約525.8万円～591.5万円です。
お得なキャンペーンの金利2.7％の場合は、496.5万円です。
差額は29.3万円～95万円です。
なお、値引きしない場合は+20万円となります。
ハリアーの残価設定を3年・5年で見積もりのシミュレーションしてみた！
新車価格514.8万円のハリアーHEV zレザーパッケージの残価設定の見積もりをシュミレーションするには、ローンの元金はいくらになるのかを見ておく必要があります。
元金とは、利子を含まないローンの借入金（融資金）のことです。元金を借入する事で利息が発生します。
返済は元金と利息の返済を行います。
■ハリアーHEV Gのローン元金
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| 車両本体 | 411.9万円 |
| メーカーOP | 15万円 |
| ディーラーOP | 21万円 |
| トータルの値引き | -20万円 |
| 税金・諸経費 | 36万円 |
| 支払総額 | 463.9万円 |
| 頭金 | -50万円 |
| ローン元金 | 413.9万円 |
表で分かるように、元金は車の本体価格と合わせてオプションや税金・諸経費も入ってきます。
総支払額を減額させるには、ディーラーのキャンペーンや直接交渉による車両またはオプションなどの値引きが重要となります。
またローンを組む際には、頭金を入れることで借入額を減額させることができます。
当然ながら元金が少ない方が利息も総支払額も少なく済むので、どちらも是非活用しましょう。
ハリアーの値引きについてはこちら
この数字を基に、金利や頭金、ボーナス払いの有無でどのくらい支払いが変わってくるのかをみていきましょう。
【シミュレーション①】残価設定ローンの金利が5％の場合
上でシュミレーションしたハリアーHEV Gのローン元金を基に、金利5％の場合のさまざまなパターンの残価設定ローンの支払額をシュミレーションしてみました。
頭金を多くすることで元金が減るのはもちろん、ボーナス払いの額でも月々の支払いは変動します。
残価率は、トヨタモビリティ東京でのオンライン見積もりシュミレーションによるものです。（※2023年7月現在）
| 支払い回数 | 3年（36回） | 5年（60回） |
|---|---|---|
| 月々の支払い | 4.5万円 | 3.4万円 |
| ボーナス払い | 10万円x6回 | 10万円x10回 |
| 最終（残価率） | 243万円（59％） | 177.1万円（43％） |
| 累計の支払金額 | 220.５万円 | 311.9万円 |
ボーナス払いは年2回です。
■仮にボーナス払いを15万円にした場合
| 支払い回数 | 3年（36回） | 5年（60回） |
|---|---|---|
| 月々の支払い | 3.5万円 | 2.4万円 |
| ボーナス払い | 15万円x6回 | 15万円x10回 |
| 最終（残価率） | 243万円（59％） | 177.1万円（43％） |
| 累計の支払金額 | 220.5万円 | 311.8万円 |
頭金を50万円→100万円にした場合は、ローン元金が413.9 万円→363.9 円へ変わります。
■頭金を50万円→100万円にした場合
| 支払い回数 | 3年（36回） | 5年（60回） |
|---|---|---|
| 月々の支払い | 2.9万円 | 2.4万円 |
| ボーナス払い | 10万円x6回 | 10万円x10回 |
| 最終（残価率） | 243万円（59％） | 177.1万円（43％） |
| 累計の支払金額 | 166.6万円 | 255.4万円 |
【シミュレーション②】お得なキャンペーン金利2.7％の場合
次に、金利により価格差をみていきます。先に紹介した過去のネッツトヨタ広島でのキャンペーン特別金利2.7％となった場合のシュミレーションです。
| 支払い回数 | 3年（36回） | 5年（60回） |
|---|---|---|
| 月々の支払い | 3.9万円 | 2.9万円 |
| ボーナス払い | 10万円x6回 | 10万円x10回 |
| 最終（残価率） | 243万円（59％） | 177.1万円（43％） |
| 累計の支払金額 | 199.6万円 | 277.2万円 |
お得なキャンペーンだと次のように変わります。
・毎月の支払額：6万円（3年） 5万円（5年）
→5.4万円（3年）、4.5万円（5年）
・累計の支払額：220.5万円（3年） 312万円（5年）
→197.7万円（3年）、277.2万円（5年）
金利が違うだけで支払額が大きく変わってくることが分かります。
ただしこのような金利が大きく下がるキャンペーンが常にある訳ではありません。
ディーラーごとでやっていることが多いため、近くの店舗が対象でない場合もあります。
ディーラーローンの際は、キャンペーンの金利での計算はあまり現実的ではないでしょう。
毎月の金額を2万円にするには？
ハリアーHYBRID Z Leather Package（E-Four）（車両価格541.8万円）を毎月の支払金額2万円にすることはできるのかをシュミレーションしていきます。
■ハリアーHEV zレザーパッケージのローン元金
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| 車両本体 | 514.8万円 |
| メーカーOP | 15万円 |
| ディーラーOP | 21万円 |
| トータルの値引き | -35万円 |
| 税金・諸経費 | 36万円 |
| 支払総額 | 551.8万円 |
| 頭金 | -100万円 |
| ローン元金 | 451.8万円 |
毎月の支払いを2万円にするには、元金をできるだけおさえておく必要があります。
ここでは、値引きを35万円、頭金は100万円で算出した元金451.8万円でシュミレーションします。金利は5％です。
■金利5％でミュレーション
| 支払い回数 | 3年（36回） | 5年（60回） |
|---|---|---|
| 月々の支払い | 2.5万円 | 1.5万円 |
| ボーナス払い | 20万円x6回 | 20万円x10回 |
| 最終（残価率） | 290.8万円（59％） | 221.4万円（43％） |
| 累計の支払金額 | 217.9万円 | 316万円 |
さらにボーナス払いを20万にすると、比較的短い期間の3年ローンでも毎月2.5万円、5年ローンであれば2万円以下にまですることができます。
残クレであれば、値引きと頭金、ボーナス払いを組み込むことで、毎月の支払を抑えながらハリアーの中でもワンランク上のグレードに乗ることができます。
ハリアーを安く買うには値引きや下取りも重要！
ハリアーの値引きについて
新型ハリアーの残クレ3年契約での残価率は59％、他の買取業者においては3年落ちで80％での買取までされることもあるリセールの良さです。
そのため新車購入時の値引きが難しい車でもあります。
新型ハリアーの値引きは下記の方法で20～35万くらいまでの値引きを見込めます。
車両の値引き相場は30万ほどで推移しています。
補助金があるPHEVの値引き率が高いため、実際にはもう少し低くなりますが、車両本体＋オプションと併せて「10％値引きしてください」と伝えると値引きしやすくなります。
車を買う上では、他車種との競合による値引きも大きく反映されます。
新型ハリアーの場合は、ハリアー同士で他会社（トヨペットとネッツなど）で競合するのも効果的です。
下取り価格も値引きの交渉ではとても重要になってきます。下取りがある場合は、下取り額の増額交渉を必ず行ってください。
ハリアーの値引きについてはこちら
ハリアー購入時の下取り交渉について
値引きの項目でも触れたように、下取り価格も値引き交渉では重要になっています。
そもそもディーラーの下取り査定は、買取業者の査定に比べて安いです。
ハリアーの残価率でみても一目瞭然ですよね。
シュミレーションしたように、残価設定ローンでハリアーを購入する際には、頭金を増やすことで毎月の支払いを軽くできます。手元の現金だけでなく下取り価格を上げることで頭金にすることができます。
他の相場を調べ、提示することでディーラーの下取り査定額を交渉しやすくなります。
一括査定サイトを活用すれば、最高額や相場を簡単に把握することできますよ！
ハリアーは残価設定をせずに自動車ローンで購入すると安い
ハリアーの残価設定ローン VS 自動車ローンの総支払金額
新型ハリアーを購入するには、金利の高い残価設定ローンと、金利の安い自動車ローンでどちらが安く済むのかを総支払額で比較してみました。
■ハリアーHEV zレザーパッケージのローン元金
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| 車両本体 | 492.8万円 |
| メーカーOP | 15万円 |
| ディーラーOP | 21万円 |
| トータルの値引き | -20万円 |
| 税金・諸経費 | 36万円 |
| 支払総額 | 544.8万円 |
| 頭金 | -50万円 |
| ローン元金 | 494.8万円 |
オプションや、値引き、頭金を固定したハリアーHEV zレザーパッケージのローン元金は、516.8万円です。これを基に比較してみましょう。
■新型ハリアーの「残価設定ローン」 VS 「自動車ローン」の総支払金額
| 現金一括 | 残価設定5～10％ | 自動車ローン1.4％～3.95％ |
|---|---|---|
| 516.8万円 | 610～707万円 | 535～570万円 |
5年ローンで、残価設定では金利5〜10％、契約期間満了で車両を買い上げるとした場合の総支払額を提示しています。
自動車ローンは「ジャパンダ・ネットマイカーローン」の最低金利1.4％～3.95％です。
どちらもボーナス払いなしで計算しています。
車両を最終的に買い上げるとすると、残クレでは高額な支払額になってしまうことがわかります。
■新型ハリアーをカーローンで購入する場合の5年間（60回）の返済シミュレーション
| 金利 | 1.40% | 3.95% |
|---|---|---|
| 月々の支払い | 6.6万円 | 7万円 |
| ボーナス払い | 10万円x10回 | 10万円x10回 |
| 累計の支払金額 | 501.6万円 | 534.9万円 |
ハリアーHEV Gグレード（車両本体411.9万円）にオプション36万円と税金・諸経費36万円を足した元金をボーナス払い10万円で支払ったシュミレーションです。
どちらも月々の支払いは、残クレよりも高くなっています。
「トータルの値引き・頭金・ボーナス払いの変更」を加えることで、残クレでなくても毎月の支払額を2万円台にすることができます。
※頭金には下取り価格も含む
②の方法に関しては、値引き交渉と頭金を大きくしなければならないので、下取り価格次第といったところではありますが、
ボーナス払と値引き交渉がうまくいけば、マイカーローンで月々の支払いを2万円台にすることは難しくはないかもしれませんね。
自動車ローンのメリット、デメリット
マイカーローンの一番のメリットは、ディーラーローンに比べ金利が低いことです。
また、返済が終わるまで車の名所有権がディーラーになってしまうディーラーローンと違い、所有権が自分になるのも大きなメリットです。
マイカーローンのデメリットは、即日審査ができないことです。
即日審査ができ最短30分ほどで終わるディーラーローンと比べ、銀行系のカーローンの場合は一週間程かかることもあります。
また、車両本体を担保としていないため、ディーラーローンと比べると審査も厳しいという面もあります。
カーローンを初めて利用する時、どこを利用すべきかわからず不安ですよね。
そんな時は、ジャパンダ・ネットマイカーローンがおすすめです。
マイカーローンの中でもトップクラスの低金利。
さらに固定金利なので、月々の支払額が変動せず分かりやすく、返済計画も立てやすくて安心です。
利用方法はとっても簡単。事前申込（事前審査）から本申込、借入までWEBで完結できます。店舗来店など面倒な手間がありません。
事前審査は最短即日で完了、申込から借入までは最短1週間程です。
zレザーパッケージの納期が未定でも、事前審査を受けておくことをおすすめです。
ディーラーで見積もりを出してもらったら、納期が未定であってもマイカーローンの事前審査をまずは行いましょう。
前述したようにマイカーローンはディーラーローンよりも審査が厳しいのがデメリットです。
ディーラーローンでは通るのに、マイカーローンは通らないという可能性もあります。
事前審査の結果は信用情報機関の履歴に残らず、借入可能額の目安を早く把握できるといったメリットもあります。
マイカーローンを利用するのか、残クレなど支払い方法を再検討するのかなど、熟考することができるので、事前審査は積極的に利用しましょう。
■ハリアーHEV zレザーパッケージを5年のカーローンで支払うシミュレーション
| 項目 | 値引き20万円・頭金50万円 | 値引き40万円・頭金100万円 |
|---|---|---|
| 車両本体 | 514.8万円 | 514.8万円 |
| メーカーOP | 15万円 | 15万円 |
| ディーラーOP | 21万円 | 21万円 |
| トータルの値引き | -20万円 | -40万円 |
| 税金・諸経費 | 36万円 | 36万円 |
| 支払総額 | 566.8万円 | 546.8万円 |
| 頭金 | -50万円 | -100万円 |
| ローン元金 | 516.8万円 | 446.8万円 |
| 金利 | 1.4% | 1.4% |
| 月々の支払い | 7.2万円 | 5.1万円 |
| ボーナス払い | 10万円x10回 | 15万円x10回 |
| 累計の支払金額 | 535.7万円 | 463.3万円 |
残クレからマイカーローンまで、さまざまなシュミレーションをしてみました。
月々の支払いが楽に見える残クレですが、総支払額までみると金利次第では実はあまりお得ではないかもしれません。
マイカーローンは、金利が低く総支払額が残クレと比べ低く抑えられますが、やはり月々の支払いでは残クレよりは高くなってきます。
ハリアーに長く乗り続けていくのならば、断然マイカーローンがおすすめですが、Zレザーパッケージなどワンランク上のグレードを短期間で乗り換えていくのならば、残クレでの契約がお得かもしれません。
どのように乗っていくか、どのように支払いをしていくかを検討したうえで選ぶのが良いかもしれませんね。
